小渕大臣、松島大臣が辞任したようである。

辞任理由はそれぞれであるが、支持率の高かった安部政権にとっては痛手であるに違いない。高い支持率があれば多少国民にとって耳の痛い話でも強引に進めることが可能であったが、支持率が低くなれば勢い大衆迎合的な政策とならざるを得ない。早速消費税率に言及したりしているが、なにをかいわんやであろう。

政治家であれば信念を通せ、と言うのは簡単だが実際に通すのは容易ではない。野田元総理は民主党を壊滅的に敗北させることを承知で消費税の増税を通したが、国民のために自らの賭して信念を貫いた偉大な政治家として歴史に名を刻むかと言えばそうでもないだろう。せいぜい10％に増税した安倍総理にきっかけを与えた、という程度の存在で評価されるのが関の山ではないだろうか。無論評価されるために信念を貫くわけではなく、むしろ評価が貶められることを承知で貫く信念であるからこそ他に得難いわけであるが、現世でも後世でも評価されなければ自己満足でしかなく、大変難しい話である。

さて、安部政権であるが、集団的自衛権については既にやりきったかもしれないが、これで社会保障費などに切り込んでいくことは困難であろう。いつか誰かが既得権を打破しない限り、どこかで破綻すると分かっていても継続せざるを得ない。それであれば集団的自衛権などではなく、社会保障制度の再設計に切り込んで貰いたいところであったが後の祭りである。

次の期待は小泉進次郎氏だろう。どこまで続くか分からないが、現在の人気は別格であり、今の人気を維持できれば父親同様強い総理大臣になっていけるのではないだろうか。

問題はそこで何をするかである。父である小泉純一郎氏は難攻不落であった郵政の民営化を成し遂げた。その後いろいろあったが、一つの大きな投げかけができたという点で大きな価値のある一歩であった。